体験記

うつ病が発覚するまで。無職編

退職編の記事で約20年間勤めた職場を退職する事になったのですが、有給消化が許された為代休を含めた20日間の猶予がありました。その間はのんびり好きなことやって過ごそうと決めていました。
元々ひろしは、無類のパチスロ好きでして在職中から夜勤入り以外は(夜勤明けや日勤後、休日)パチンコ屋に入り浸るという生活を送っていました。それぐらいパチスロに依存していました。
猶予期間は勿論パチスロ生活者として閉店後に下見をして、打てる台がある時は朝一から打つ、打てる台が無い時は打てる台が見つかるまで待つといった行為を毎日のように繰り返していました。
時には、車で県外へ遠征に行く事もしていました。
そんな楽しい生活を送っていたのですが、突如として襲いかかってきたものがあります。
襲いかかってきたものとは胃のムズムズ感です。胃の辺りがムズムズして胃の中が痒い感じがするのです。落ち着いて居られず常にお腹に手を当ててる状態になってしまうのです。在職中からこいつが襲ってきた事はあったのですがせいぜい2日ぐらいで治まっていたのに、ムズムズ感が一向に治まらないのです。
これはまずい、重大な病気にかかってしまった。もし重大な病気だった場合は退職後で生活はどうなってしまうのかと不安がよぎりました。
ひろしは、大の病院嫌いでした。大きな病気になったことも入院もした事もありません。そんなひろしでしたが、一度胃カメラで検査してもらうことを決意するのでした。
まずは近隣の病院へ相談に行きました。3月某日の事です。医師に胃がムズムズする。胃の中が痒い感じがするのです。と伝えると医師は、はてな顔をするのです。それもそのはずです。胃のムズムズについてインターネットで調べたり、参考書を読んでもそんな症状なんてどこにも載っていないのですから。ましてや胃がキリキリ痛む、胃がムカムカする等の症状とは違うのですから。はてな顔をされてしまいましたが胃に違和感があるという事で無事2日後に胃カメラ検査を予約することが出来ました。
奇しくもその日は、ひろしが退職する日だったのです。その2日間は初めての胃カメラへの緊張と、国の保険制度に疎かったものですから、健康保険の期限が切れている状態で重大な病気が見つかって通院または入院するようになったら医療費はどうなるのかと不安な気持ちでいっぱいでした。
そんな不安な気持ちの中胃カメラ検査当日を迎えるのでした。腹部超音波検査後、人生初の胃カメラ検査を受けました。鼻からの検査でした。画像で食道、胃、十二指腸を確認しながら検査が行われました。痛みは全く無く、ゲップがでそうになるぐらいでした。
後に胃カメラ検査を2回受けるのですがその医師は上手だったのだと思います。時間は覚えていませんが数分で検査が終わりました。結果は軽い逆流性食道炎と胃炎でした。念のため胃の組織を採取して検査にだすと言われ、食生活に注意するよう指導を受けて診察が終了しました。胃の組織修復薬と胃酸の分泌を抑える薬が処方されました。
その時には病名もついた事だし薬を飲んでればすぐに治るだろうと安心していました。
その後勤務先へ行き退職の挨拶を済ませるのでした。所属していた部署、異動予定であった部署と部長からも温かく送り出してもらえました。晴れて退職する事が出来ましたが次の職場を決めていない、ひろしは無職となるのです。
無職となった、ひろしですが保険制度や年金制度、失業保険について無知でした。この時はすぐに新しい職場をみつけ就職するつもりでいたからです。何をどうすればよいか分からない状態でした。
そこで勤めていた職場に連絡を取り、役所で国民健康保険への切替と県民年金の支払いや住民税の支払いがあることを初めて知らされるのです。これらの支払いは前年度の収入によって額が決定されるため、毎月の支払いは大変なものでした。
雇用保険受給の為に必要な離職票の交付はまだかかると言われました。雇用保険の仕組みなんて分かっていないひろしは、とりあえずハローワークに行き登録を済ませてきました。
今では、自分で支払うようになって国の保険制度について少しだけですが知識がありますが、当時は右も左も分からない状態でして、すべてが手探り状態でした。仕事に行かなくなり退職までの猶予期間も退職後もずっと胃のムズムズ感はつきまとっていました。内服治療を受けていたのですが一向に治まらないのです。薬を飲むと胃が乾いたような感じがして、胃の違和感が増すばかりです。
胃カメラ検査した病院で検査結果を聞きに行ったのですが、無職になり保険証が変わった事になんだか抵抗を感じました。重大な病気なのではという不安に加えて、何か聞かれるのではないかという不安もありました。とにかく何に対しても不安でいっぱいでした。それをよそに受付で新しい保険証を見せるだけで済み、検査の結果も表層性の軽い胃炎との事でした。前回と同様の薬が処方されました。検査結果にほっとしました。
あとは、薬を飲んで治まるのを待つのみです。雇用保険についても離職票の交付を待つのみですぐに新しい職場を見つけるだけだとその時にはそう思っていました。
話しは変わりますがひろしはそれまだ保険入ったことはありませんでした。以前から保険加入の必要性を感じていましたが、いつも後回しにしていました。
胃炎という軽い病気でしたが病気になって初めて保険の必要性を感じたのでした。
保険の知識も無知でしたのでまずは保険相談所に行きました。無料で保険の相談をしてくれるなんてうまい話しはない、最終的には高い保険に勧誘をされるのかと思ってドキドキでしたが、それは全くの思い違いでした。
まずは保険の基礎知識から始まり、家族構成に合わせてどういった保険が必要か、自分が亡くなった時にいくらぐらい家族にお金を残したいたのか等の質問があって、その人に合わせたプランを何社かピックアップし提供してくれるそんな場所でした。
無知で疑い深いって損ですね。しかしこんな場所で無職の洗礼を受けるとは思ってもいませんでした。
それは、無職だと保険に加入出来ないのでした。また胃炎で内服治療を受けていることも審査に引っ掛かってしまうようです。よくCMで持病があっても入れる医療保険とかやってますが、例え加入できても何かしらの縛りがあると思います。がん保険だけは審査が甘いので持病があっても入れたりします。
健康なうちに保険に加入する事を強くおすすめします。
話しが逸れましたが、ひろしには妻がおりましたので妻が加入する事と比較的審査の甘い保険に加入する事が出来ました。それでも胃と十二指腸に関する病気に対しては、一年間は保険がおりないという縛りがありましたが。しかし保険に加入しておいて良かったと思ったのは後の話です。
無事保険に加入する事ができ、次は雇用保険の申請です。雇用保険申請には、離職票が必要不可欠です。
ひろしが、離職票をもらえたのは退職してから2週間後の事でした。その日のうちに申請を済ませてきました。ハローワークに行くのも2回目でしたし、雇用保険についてのしおりをもらえるのでスムーズに申請する事が出来ました。雇用保険の受給者資格には、就職する意思と能力があること。とありますがその時は、胃の違和感のみだったので申請には、問題ありませんでした。
雇用保険受給までの大まかの流れとしては、受給資格が決定され、雇用保険の説明会を受ける必要があります。その後7日間の待機期間を経て雇用保険が下りるのですが、ひろしは退職理由が自己都合であったため、3ヶ月の給付制限があり約4ヶ月の間無収入となってしまうのです。この時は、退職願が雇用保険に影響するとは、思ってもいませんでした。もしも退職して雇用保険を受給しようと思っている方が居ましたら、退職願の内容を良く考えて書きましょう。
すぐに就職が決まった人には、就業促進手当として給付してもらえる事が可能です。基本手当の受給資格があるなど一定の要件があります。雇用保険についてのしおりや説明会で詳しく説明してくれます。
この時ひろしは、何故か雇用保険を満額もらうという選択をするのでした。
雇用保険受給には、求職活動が必要なのですがこの求職活動が厄介なのです。だだハローワークに行ってパソコンで求人を調べただけでは、求職活動とは認められないのです。ひろしの場合ハローワークが主催するセミナーを受けたり、外注のキャリアコンサルティングを受けたりして、しのぎました。
ひろしは、退職してからうつ病を発病したので、在職中でしたら傷病手当てをもらいながら、休養することができるのできるのですが、傷病手当ももらえない。という退職のタイミングとしてはあまり良いものではありませんでした。

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