体験記

うつ病が発覚するまで。抗うつ剤編

不眠を解消するべく診療内科の予約を早めたひろしでしたが焦燥感を感じた2日後の月曜日に受診するのでした。

診察では、お盆中体調を崩して不眠がちになったこと、焦燥感が襲ってきた事を伝えました。すると「早く元気になってもらいたいから新しい薬を出しますね」と言われ睡眠薬の他に抗うつ剤が処方されるのでした。レクサプロという薬です。それでも自分がうつ病だという自覚はありませんでした。それよりもこれで夜眠れるといった安心感が強かったのでした。

早速夕方に抗うつ剤を飲んでみました。すると胃のムズムズ感がピタッと治まるのでした。今までの数種類の胃薬を飲んでも効かなかった胃のムズムズ感から解放され歓喜したことを覚えています。さらに頭がスッキリしたような感覚になり妻に「この薬いける。仕事もできそうだよ」と薬の効果を実感するのでした。
その日は寝る前に睡眠薬を飲んだ事もあり久しぶりにぐっすり眠る事が出来ました。また抗うつ剤の効果により安心感がありました。ましてやずっと悩まされてきた胃のムズムズがピタッとと治まったのですから驚きでした。

しかしそう思ったのはつかの間であり、次の日から抗うつ剤の副作用に悩まされられるのでした。

その副作用とは、吐き気です。常に吐き気が襲ってくるのです。レクサプロという抗うつ剤は、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)という種類に分類されます。セロトニン=不安や落ち込みといった精神症状の改善に効果があります。日本では4種類のSSRIが発売されていますが当時はその中では一番新しい薬なのです。他の抗うつ剤と比べると副作用が出にくいといわれいますが、嘔吐や下痢などの胃腸障害による副作用が出やすいといわれています。吐き気が起こる確率は、約20%といわれていますがその副作用に悩まされるのでし。吐くものが無くなっても吐き気が襲ってくるため常にトイレにこもりっきりでした。時には、喉に指を突っ込み自ら嘔吐を促すようなこともしていました。その頻度は、喉から少量の出血がある程のものでした。もちろん食事なんてする事は出来ませんでした。
これにはたまらなくなり、妻が仕事から帰ってくるなり係りつけの病院に電話をしました。心療内科は、休診日でありましたが内科の医師が当直していたため診察してもらえるようになりました。病院へ行く道中常に「オエー」と吐き気を催していたことを今でも覚えています。診察を受けると「レクサプロの副作用である」と言われ点滴を受ける事になりました。点滴を受けることで吐き気が少し治まってくるような感じがしました。その日はレクサプロを飲まずにいる事とし、次の日に診療内科を予約し家に帰りました。
吐き気により食事も摂れなくなり体重も退職してから約半年で20kg減っていたのであった。

次に処方された薬はレクサプロと同じSSRIのなかのジェイゾロフトという薬であった。レクサプロより効果は少ないぶん副作用も少ないというのが特徴です。不思議とこの薬は身体に合っていたようで吐き気は起こりませんでした。ただ効果が少ないぶんレクサプロを初めて飲んだ時のような頭がスッキリした感じはありませんでした。しかし飲み始めて約一週間がたった頃副作用が出始めたのです。

それは急に不安に駆られ、衝動性が増して今にも家から飛び出したい気持ちに駆られるのです。なんとか落ち着こうと思っても落ち着く事ができず床をのたうち回ってしまうのでした。その姿を見て慌てた妻は精神科救急に電話をいれるのでした。夕方6時頃だったと記憶しています。近隣の精神科病院はその時間どこもやっておらず、かかりつけの心療内科もやっているはずもなく、すがる思いで精神科救急に電話をしたと妻は後日話していました。
初めに電話した際には様子を診るように言われました、衝動性は増すばかりです。もう一度電話をかけると診察してくれる事になりました。しかしひろしが住んでる地域では精神科救急をやっている病院は県内に一ヶ所しかなく、場所も片道で約2時間かかる所にあるのです。母親もかけつけなんとか車に乗り込み病院へ向かうのでした。

なぜか車に乗って居ると徐々に落ち着きを取り戻してきたのです。せっかく診てくれるのだから診察してもらおうということになりました。着いたのは9時過ぎだと記憶しています。もちろん本来は診療時間はとっくに過ぎてるわけですから病院は、真っ暗でした。
その中にポツンと明かりが着いた建物があったのですぐに分かりました。駐車場に車を停めて玄関のインターホンを押すと待合室に通されました。対応してくれたのは若い男性の看護師さんでした。待っていると名前が呼ばれ、診察室に通されます。診察室の中は一般的的な作りとは違い、医師と看護師が檀上に座り、少し離れた位置に椅子が置いてあります。これは、興奮して暴れた患者さんが救急車で運ばれてくるのでそういう造りにしたのだと思われます。ひとまず診察を受けるのでした。診察ではこれまでの経緯を伝えました。すると「うつの症状なのか抗うつ剤による副作用なのかは主治医じゃないので分からないが、どちらにも聞く薬を出します」と言われレキソタンという薬が処方されました。看護師が薬を取りに行ってくれ、守衛に支払いを済ませ診察を終えました。その日の夜はレキソタンを飲みぐっすり休む事ができたのを記憶しています。
ひろしの突発的な症状の原因は、定かではありませんがあくまで素人の診断ですが抗うつ剤の副作用による賦活症候群ではないかと思われます。賦活症候群は、ひろしのように様子を見れば治まる事もありますが最悪の場合は、自傷行為や自殺企図と発展する事もあるため抗うつ剤のSSRIやSNRIの投与初期や増量した際には注意してください。
抗不安薬や向精神薬病薬が有効と言われているため屯用薬としてかかりつけの病院で処方してもっておくのも良いかと思われます。また診療時間外に辛くなったらどうするか主治医と良く相談しておくのも良いかと思われます。

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