体験記

うつ病が発覚するまで。退職編

突然ですが普段はうつ病について触れていませんがひろしは、うつ病でもあります。現在も抗うつ剤を服用しています。
今回はうつ病の原因であろう仕事を辞めた事について書こうと思います。

ひろしは約20年間勤めた職場を退職しました。退職を決意した理由は、人事異動でした。ひろしが働いていた職場は年に2回人事異動があります。異動の時期になり人事異動が命じられました。当時役職に就いていました。本来ならば仕方がないと異動を受けるのですが、ひろしには納得のいかないものでした。

その理由とは異動先には、同期の友人がいました。公私ともに付き合いの深い友人でして、今でも付き合いがあります。友人には直属の長がおり数ヶ月後に定年退職を迎える予定でした。誰しもが友人がそのあとを継ぐものだと思っていました。しかしひろしに、その部署への異動が命じられたのです。すかさずひろしは、理由を問いました。所属長をやれということなのですか。本来ならば友人が長になるべきなのでは。評価されての事なのかと。返ってきた返答は、理由は言えません。出来ると思うからです。この命令は覆される事はありません。とバッサリ話しを打ち切られてしまいました。その時ひろしはとっさに退職を決意するのでした。

人事異動に納得が出来ず退職を決意したのですが職場には、恩義がありました。
働きながら学校に通わせてもらいました。無事卒業し資格を取得することが出来ました。この間の授業料等の学費や正社員と同等の給料の支給もありました。卒業してからもひろしは、働き続けました。職場が好きだったのです。家庭を省みず働いたこともありました。生え抜きということで色々な役も回ってきました。最終的には役職に就く事になりました。

そんな愛着のある職場だったのですが、ひろしにはもんもんとした気持ちがありました。それは真面目にやっても報わないという事です。やりたくない、出来ないがまかり通る職場だったのです。そうなってくると各々の負担に隔たりがでてくるのです。文句も泣き言も言わず頑張ってる人の負荷がどんどん高くなっていくのです。

ひろしは、決して仕事が出来るわけではありませんが、出来ない、やりたくないと思ってもとりあえずチャレンジすると言った自分なりのプライドを持って仕事をしていました。
思いがけない人事異動で、自分なりに一生懸命職場に尽くしても報われないんだと思ったのです。
そういった理由で退職を決意し、愛着のあった職場を辞める決断を下しました。

退職を決意し直属の上司に退職する旨を伝えました。上司は、ひろしの気持ちをくみ取ってくれました。続いては、課を統括する部長との面談です。部長の許可がでて晴れて退職となるのです。
退職を決意してから10日後に退職する(月締めで)というものだったのですんなり許可が出るものとは思ってもみません。やはり返ってきたのは、すんなり退職出来ると思っているのですか。という返答でした。
ひろしは今までの思いの丈を伝えました。人事異動の理由についても聞いてみました。退職を決意するからには、相当の覚悟がある事も伝えました。異動の理由は、明かされませんでしたが思いの外退職に対してはすんなりと許可が出ました。どうやら部長は去る者は追わずといったスタンスだったようです。
仕事は月末いっぱいまで、退職は次月の20日付けで正式に決まりました。
この時には、自分には新しい未来が待っているそう信じていたのです。まさかうつの病魔が襲ってくるとは思ってもいませんでした。

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